百蔵山は海鮮おつけ団子がゴール

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プレゼントや手土産でもらって嬉しいものってなんだろう?友人がわたしの家に泊まりにきたときは、高級なダシや能登の塩を持ってきてくれた。知り合いがごはんを食べにきたときは、お酒の代わりにオーガニックグレープフルーツジュースとキヌアを持ってきてくれた。当時九州に住んでいた友人が九州のおいしい柑橘を宅急便で送ってくれた。実家の隣のおばあちゃんは、掘って収穫した朝採れ竹の子を持ってきてくれた。思い返せば、もらって嬉しいのは こんな食材の贈りものだったりする。山頂でピクニックシートを広げてトレッキングシューズを脱ぎ 無事山頂に立てたことに対する安堵感を歩き疲れた足とともに空中に放り投げて解放した。ザックの下のほうからごそごそ取り出したのは、山ともだちへのプレゼント。目の前には大きな富士山。周囲には桜が咲き、久しぶりのぽかぽか春日和。山梨にあるこの百蔵山で、わたしはこの世で一番苦手なヘビにでくわした。緑っぽい色の細いヘビは艶艶と潤いがあり じっとして動かずに登山道を占領していた。友人はガキ大将のように木の棒片手に落ち着き払った様子で、取り乱す私が迂回して歩ききるあいだ ヘビを見張っていてくれた。目印のピンクのテープは木に巻きついているけれど本当に登山道なのか怪しい道が ついに なぎ倒された木々で閉ざされ 前に進むことができなくなってしまった。遠くに人を見かけて藪漕ぎしたり、帽子をどこかに落としてしまったり、最初から最後までひやひやするハイキングだった。大人の遠足BOOK「日帰り山あるきベスト100」は私の愛読書で常日頃からコースを参考にしているけれど、この本の一番の長所でもあり短所でもあるのは、著者が静かな山歩きを好むのか、山によってはチーンという音が頭で鳴り響くほど人の気配のないコースを歩かされることだ。人気の山を登ったときは山頂で多くのハイカーを目にして、その静かなコースのチョイスを讃えるけれど、この日のような分かりにくいコースのときは、終始心細い気持ちと頂上の諦めを抱えながら歩かなければならない。

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山梨の大月のあたりは山がたくさんあって良い。いや。本当は正直にいうとね、大月周辺に日帰りハイキングで足を延ばすのは他に目的があるから。大月の駅前にある濱野屋の海鮮おつけ団子が食べたいがために日帰りハイキングで遊びにくる。3年前のちょうど同じ時期にも わたしたちは岩殿山に登って桜を見て、真木温泉で汗を流し、帰る前におつけ団子を食べた。今回は下山後におつけ団子。わたしたちはお昼を軽めにすることにして、山頂でネコのアルコールストーブを使ってゆっくりお湯を沸かし こぽこぽとコーヒーを淹れた。

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山でコーヒー。むかし髪の毛を切ってくれていた美容師さんはロードバイクで山に行き、直火式エスプレッソの器具とバーナーでコーヒーを淹れたと話してくれた。当時まだアウトドアの芽がこれっぽっちも出ていなかったわたしは、その話にとーんと魅せられたものだ。イタリア人によると、ペーパードリップは紙の味がコーヒーに移ってしまって不味いから直火式が良いのだそうだ、とも美容師さんは言っていた。そう聞いて私はすぐに直火式エスプレッソマシーンを買って家でコーヒーを飲んだ。これを持っていつか外でコーヒーを飲もうと。もしかしたらあのときの強い憧れが今の山あるきの源流なのかもしれない。とにかくいつものコーヒーを山で飲んだら、街の洒落たサードウェーブコーヒーよりも とてつもなく美味しい、ということ。

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この日は温泉を諦めた代わりに地元のスーパーで相当な時間を費やした。スーパーとはいえ、仕入れを担当している人のこだわりがうっすらと感じ取れるスーパーは商品の陳列棚を眺めているだけでおもしろい。わたしは夏に向けて『ウルトラライトveganハイカーズフード』を考案しようとしている最中で、いろいろな食材に興味があり、帰りのザックはその戦利品で満たされた。親切な地元のおじちゃんが駅まで車で送ってくれるという。世の中捨てたもんじゃないと、海鮮おつけ団子をペロリと平らげて電車のボックス席でガタンゴトンと帰ってくる。nice mountain trip. 

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海鮮おつけ団子は、すいとんに似た食べもの。濱野屋の海鮮おつけ団子は汁まで全部飲み干したくなるほど美味しい!

ー山行記録ー
百蔵山 1003m
JR中央本線 猿橋駅から富士急山梨バスで福泉寺下車
福泉寺バス停→ 百蔵山登山口→ 金比羅宮→ 表登山道分岐→ 百蔵山山頂→ 表登山道分岐→ 市営グラウンド→ 猿橋駅
標高差 登り679m/下り678m
歩行時間 3時間40分

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MEMO:この軍手はもらいもので大のお気に入り。木々が生い茂る山道を歩くときの必需品。百蔵山の表の登山道はとてもよく整備されていて、途中湧き水で喉を潤すことができた。裏の福泉寺からのルートは分かりにくく 私たちは終始手入れのされていない山道を歩き続けた。


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